最高に美味い生ビールを提供しているお店以外では飲食したくない人が知っておくべき事
バーで最初に頼むべきカクテルをご存じだろうか?
答えは人によって色々あるとは思うが、限りなく正解に近いのは「ジントニック」。
ジンの銘柄、トニックの銘柄、氷の状態など、細かいノウハウがあり、ジントニックを頼めばその店のレベルがわかると言われている。
では居酒屋では何を頼むべきか。
そう、答えは生ビール。
生ビールを頼んでみれば、その店のレベルがわかるといっても過言ではない。
今回は大分情報とは関係ないが、飲食店情報も増えてきたので、このへんで一度生ビールについて書いてみようと思う。
最高に美味い生ビールとは?
筆者が初めて生ビールを飲んだのが○学生の頃だっただろうか。
卒業旅行と称して悪友4人で天神に行って、大人のフリをして生ビールを飲んだのが初めてだったと思う。
まぁそれまでも缶ビールくらいは飲んだ事もあったから、普通に美味いと思った。
そしてそれから数年後、筆者は知り合いに誘われて美味い生ビールを出すと評判のダイニングバーに行くことになった。
当時の筆者はまだまだ味もわからないような若造で、「別にどこも変わらないだろ」と思っていたのだが、実際に飲んでみて絶句した。
それまで飲んだ事のないような、想像を絶する美味さだったのだ。
あまりに感動したので銘柄を訊くと、「モルツ」だという。しかしこれまでもモルツは飲んだ事はあるし、こんなに美味しくはなかった。
容器がグラスではなくステンレスだったので、そのせいかと思って店員さんに聞いてみると、それもあるかもしれないが、生ビールの味はサーバーの手入れや注ぎ方で変わるという事だった。
それからというものの、その店に通って教えてもらったし、その後飲食店でバイトも経験したのでわかったのだが、美味しい生ビールを出すためにはいくつか外せないポイントがある。
具体的には、①毎日の洗浄、②ガス圧の設定、③注ぎ方、④グラス管理、⑤鮮度だ。
①毎日の洗浄
生ビールのサーバーは、毎日水を通して洗浄しないといけない。
ただ、回路に残ったビールを捨てないといけないので、毎日行わない店も多いらしい。
しかし毎日洗浄しないと回路に汚れが溜まってビールが臭くなる。
inshoku-support.jp様記事より引用
あなたも何か臭いビールを飲んだ事はないだろうか?あれは上記画像右のような回路を通って出てきたビールなのだ。
これは味もまずくなるが、衛生的にもまずい。
こういう事自体知らないお店もあるらしいが、だいたいのお店は知ってて、やらないのはサボっているだけらしい。
ここで少し考えてみて欲しいのだが、このような事を知っていながらサボるお店がはたして厨房の衛生状況を保てるだろうか?
筆者は無理だと思う。実際に飲食店でバイトした時にビール洗浄をやっていたこともあったが、1分もかからないのだ。
それすらできないお店は料理や衛生にも手を抜くと考えている。
実際、これまで臭いビールに当たってしまった時は、例外なくトイレは汚かったし、掃除も行き届いていないお店だった。
料理は好みもあるが、少なくとも「美味い!」と思うような店はなかった。
ある程度そういう状態を経験してからは、少しでも臭いビールが出てきたらそのビールはそのままにしてすぐ会計して店を出るようにしている。
そしてその店には二度と行かないし、家族や友人にも行かないよう警告する。
厳しいかもしれないが、食中毒になってからでは遅い。
一般ユーザーには厨房の中は見せてもらえないのだ。
自分の身は自分で守る必要がある。
②ガス圧の設定
普通に生ビールを飲むだけだとなかなかわからない事だが、生ビールを出す時には炭酸ガスが必要になる。
屋台や出店で生ビールを出してるところがあったら見て欲しい。緑色のガスボンベが横に置いてあるはずだ。
で、そのボンベにはダイヤルがついている。これは気温によってガス圧が変わるので、調節できるようになっている。
しかしこれをきちんと設定せずに放置しているお店も多い。
すると生ビールの味は悪くなる。
サリーちゃんのブログ様記事より引用
要はこのガス圧を設定しないと気抜けしたりピリピリした味になったりしてまずくなるという事だ。
この設定も10秒くらいで終わるので、それすらやらない店は信用しない方がいいと思っている。
③注ぎ方
ビールは注ぎ方でも味が変わる。
というか泡の細かさが全てを決めると言っても過言ではない。
oita-experience.hatenablog.com
生ビールのサーバーは、レバーを手前に倒すとビールが出て、奥に倒すとクリーミーな泡が出る。
ただ、このクリーミーな泡でなくても泡はつくれる。瓶ビールのようにグラスの底にドボドボっと注いで作ればいい。しかもそういう注ぎ方の方が早い。
ただし、そのような泡ではクリーミーにならない。なので最高に美味い生ビールにはならない。
だから忙しさを言い訳にして粗い泡で出しているお店も信用しない。
④グラス管理
いきなりだが、このビールの問題点がわかるだろうか?
内側に気泡がたくさんついているが、これが問題なのだ。
というのも、こういう状態になるのはグラスがキレイでない証拠なのだ。
一番多い原因は、食器と一緒に洗浄機にかけている事。
食器の油がグラスの内側に付着してしまっていて、その油に反応してこういう気泡ができる。
これはせっかくのクリーミーな泡を破壊してしまう。
⑤鮮度
そして最後に鮮度だ。
生ビールは樽に入っていて、開封前ならかなり持つが、開封するとどんどん劣化していく。
できれば開けたその日が一番うまいが、最低でも3日以内には消費したほうがいい。
ただ、景気が低迷してからというもの、3日で樽1本すら売れない店もある。
そういうお店で生ビールは飲むべきではない。
では、どうしたら最高美味い生ビールのお店に行けるのか?
繁盛しているお店に行く
まず、第一の条件は、清潔感のある繁盛店に行く事。
筆者の経験上、繁盛店でマズイビールを出す店はかなり少ない。
もちろん一部例外はあるが(某餃子チェーン店で経験あり)
繁盛するにもしないにも、理由がある。
ビールだけでなく、食事もそうだが、繁盛している店はよいものを出している。
口コミを参考にする
これはちょっと面倒だが、食べログなどで口コミを見ていくとビールについて書かれている事がある。
ビール会社の評価制度を参考にする
各ビールメーカーもビールの提供時のクオリティがお店の経営に直結する事は理解しているので、お店への啓発活動は行っている。
そしてしっかり良い状態で提供をしているお店を表彰したり、Web上で公開する事でお店の意識を高めると共に、一般ユーザーの来店につなげている。
こうした活動で頭一つ抜けているのがサントリーで、「樽生達人制度」というのを設けており、達人店に認定された「最高に美味いビールの店」を地域ごとに検索できる。
筆者も出張に行く時はよくこのサイトで検索していく。
ほぼハズレはないが、たまに「これで達人?」と思う店もある。このへんは今後の改善を期待したい。
キリンも少し切り口は違うがこのような活動をしている。
ただ、受賞店が少ないので、「焼き肉食べながら美味いビールが飲みたい」というピンポイントな重要にこたえられていない。
あと、2016年、2017年と2年連続で大分県は受賞が無いのが残念。
アサヒはお店への啓発まで。
いっぺん講習を受けたら合格らしいのだが、「知っている」と「やっている」は別なので、その後のクオリティまで追って欲しい。
このマークがついていてもイマイチな店はけっこうある。
サッポロもアサヒと似たような感じ。
どのメーカーも生ビールの品質の大切さはしっかり意識しているようだが、その取り組みには差がある。
筆者は情報の信頼性の高さからサントリーの達人情報をメインにしているが、毎回プレモルだけになってしまう。
たまには他のメーカーのものも飲みたいので、今後に期待したい。
最後に
というわけで長々とビールに対する想いをぶちまけてみたが、最後まで読んでくれたあなたは、生ビールに対する見方が変わったはずだ。
飲食業界は景気が上向いてきたかと思えば今度は人手不足となかなか厳しい業界ではあるが、心あるお店はお客さんに喜んでもらおうと常に努力している。
その一つの表れが生ビールの状態であるのだが、そこに気づいて上手な店選びができる人が一人でも増えれば、筆者としても望外の喜びだ。